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湿気は大敵


人形には湿気が一番の大敵。湿度が高すぎると顔や衣裳にカビがつき、顔に黒いシミがついたり、衣裳が変色してしまいます。

乾燥しすぎも禁物


逆に乾燥しすぎると顔にヒビが入ったりして大切な人形が台無しになりかねません。とくに飾っているときに直射日光が当ると変色の大きな原因となるので、これは絶対に避けて下さい。エアコンの暖房も大敵です。直接風が当らない場所に飾るようにして下さい。

ホコリやゴミをよくはらう


ホコリやゴミが人形の顔や衣裳につくと、顔がくもったり、衣裳が褪色したりします。人形をしまうときには、羽根バタキや穂先をバラバラにした小筆で十分にホコリ、ゴミを落して下さい。

頭を汚したり傷つけない


柔らかい布や紙で頭を軽く包んで、汚れたり傷にならないようにします。このとき人形の顔に手や指が触れると脂がうつり、しみや汚れの原因になるのでとくに注意して下さい。胴体のほうも柔かい紙でおおってチリのかからないようにします。

型くずれしないように


湿気の少ない、押し入れの上段などの高い場所などに雛人形(ひな人形)や道具を保管してください。

ポリ袋に一体づつ


箱に納めるときには、人形を一体づつポリ袋に入れて密封し、新聞紙などですき間をうめて、中の人形が箱の中で動いたりぶつかり合わないようにします。

防虫剤の基礎知識


防虫剤の二種併用は危険! 防虫剤は原料別に①パラジクロルベンゼン製剤、②エムペントリン製剤、③しょうのう製剤、④ナフタリン製剤、の4つのタイプに分けることができます。どんな原料を使用しているかは、必ず商品名の近くに書いてあります。 この4つのタイプの中で、人形の保存のために最も適しているのが④のナフタリンを原料としているもので、(社)日本人形協会で頒布している「幼な守り」もナフタリンを原料としています。

①のパラジクロルベンゼン製剤のものは、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレンを除く)と反応しプラ製品を溶かしてしまう可能性があります。気体化しての反応ですから、人形の内部や木製品に塩化ビニール系のコーティングがしてある場合も反応してしまいますので、人形保存用として使用するのは避けたほうがいいでしょう。

②のエムペントリン製剤のものは、防虫剤特有の臭気がなく人気を集めていますが、銅と反応し、銅を変色させる可能性があります。屏風や鎧などの場合、銅と亜鉛の合金や真鍮が、気がつきにくい箇所に使われていることも多いので、やはり人形保存用として使用するのは避けたほうがいいでしょう。

③のしょうのう製剤のものは、ほとんどが呉服用として製造されているために、衣替えを基準にして効果の持続期間が約半年となっています。一年に一度しか対面しない雛人形の保存用としては、やはりあまり適さないでしょう。さて、人形保存用として最も適したナフタリン製剤のタイプでも、パラジクロルベンゼン製剤、しょうのう製剤と併用した場合には、プラスチックと反応してプラスチックを溶かしてしまったり、油性のシミが付着する可能性があります。混用した場合はもちろんのこと、前回に使用した別系統の防虫剤の臭気が残っていた場合には、それだけで反応してしまうこともあります。毎年同じ種類の防虫剤を使用することが、トラブルを防ぐ最短の道です。

また、フタを開けてびっくりするもう一つのトラブルに、再結晶という問題があります。 一度ガス化した防虫剤が、氷砂糖のような固まりになって再び現れる現象のことです。密閉度がよく、温度変化の激しいところで防虫剤をたくさん使用し過ぎた場合に起こりやすいのですが、心配はいりません。風通しのよいところにしばらく置いておけば自然に消え、シミになったり素材を痛めることはありません。無理に取ろうとしたりすると素材を痛めてしまいますから要注意です。

年に一回は虫干しを


箱に入れた人形は湿気のとどきにくい押入れの上段や天袋など高い場所にしまいます。そして、年に一度、十月ごろのよく晴れた日にカラッとした風にあてて虫干して下さい。

五月人形の場合は


サビ対策:五月人形は金具部分が多く使用されていますので、サビやすいものです。そのためには、陳列する時などに素手で特に金色の部分をさわらないように注意が必要です。(手袋の使用をおすすめします)万一、アセなどがついてしまった時は、乾いたやわらかい布でよくぬぐい取りましょう。しまう時は金色の部分を白い紙につつんで下さい。